特集 老人の虐待
老人虐待をめぐって—米国の事情を中心に
柄澤 昭秀
1
1日本社会事業大学
pp.511-516
発行日 1995年7月10日
Published Date 1995/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901169
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世界的にみて虐待という問題が社会問題として注目され,研究されるようになったのは1960年ごろからである。年代的にはまず最初に取り上げられたのが児童虐待,次が女性虐待,そして最も新しいのが老人虐待である。欧米で老人虐待に関する研究報告が散見されるようになってから十余年経つがまだその数は少ない。この領域の研究が最も進んでいるのは米国であるが,その米国においてもまだ老人虐待の実態は十分明らかにされていないのが現状である。
わが国では1987年に,当時神奈川県立せりがや園の医療局長であった金子善彦が『老人虐待』という著書を発表して,高齢社会におけるこの問題の重要性を初めて指摘したが,そのほかには最近の田中らによる調査報告しか見当たらない。
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