特集 これからの地域保健を語ろう—保健所法改定を機に
[地域保健法をめぐる状況分析]
公的責任—公的責任と民間サービスはどう分担しあうのか(公/民の視点)
久塚 純一
1
1早稲田大学社会科学部
pp.944-948
発行日 1994年11月25日
Published Date 1994/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901037
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はじめに
「公衆衛生」や「地域保健」に関して「公的責任と民間サービスはどう分担しあうのか?」というようなテーマについて考える際に,気をつけておかなければならないことがある。それは,「あたかも,約束事であるかのように,思考や論じ方を拘束しているものがある」ということについてである1)。
その約束事が「何」であるのかは別として,「あたかも,約束事であるかのように,思考や論じ方を拘束しているものがある」,ということに関しては,たとえば,次のような感覚がその存在を明らかにしてくれる。“「医療」や「福祉」に関しては,「公・民の役割分担や協力」関係が,あまり違和感のない方向性で示されている(ように感じられる)のに対して,「保健」に関しては事情が異なっている(ように感じられる)のは,どのようなわけなのだろうか?”というような感覚がそれにあたる。
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