特集 これからの地域保健を語ろう—保健所法改定を機に
地域保健法の概要と今後の保健活動の方向性
平野 かよ子
1
1厚生省健康政策局計画課
pp.926-931
発行日 1994年11月25日
Published Date 1994/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901034
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はじめに
急速に進むわが国の人口の高齢化は,さまざまな分野での新たな取り組みを必要とし,平成6年の通常国会においても,医療保健制度や予防接種法が改正され,地域保健に関連する法律の改正もなされたわけである。地域保健に関する法律としては,昭和22年に戦後の保健所法が制定されたが,これは都道府県の保健所および政令市・特別区の保健所を中心とした活動を裏づけるものであった。その後47年を経た今日,老人保健サービスなどは市町村が実施主体となり,市町村がそれぞれの地域特性を反映し,かつ多様な住民のニーズに対応したトータルなサービスを提供することが求められてきた。
これまでにも何回か地域住民に身近な市町村における保健サービスの供給体制について検討されてきたが,保健所法の改正には至らなかった。しかし平成6年の今国会においては,「地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案」(以下,地域保健法)が提案され,保健所法を改正し,市町村を重視した地域保健のあり方を示す地域保健法が制定されたわけである。
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