特集 最近の保健婦活動研究論文集
都市社会の老人介護に対するサポート・システムづくり—インフォーマル・サポートの実態と可能性
福島 道子
1
1日本赤十字武蔵野女子短期大学
pp.199-207
発行日 1994年3月10日
Published Date 1994/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900889
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
研究動機と目的
近年,専門職では成し得ないこまごまとした援助を提供するインフォーマル・サポートが注目されている。この背景には,保健婦をはじめとする専門職が在宅ケアをすすめるとき,家族・親族のみならず近隣や地区組織など,地域全体を援助の視野に入れなければならないという認識と,専門職だけが対象のニーズに対応しているのではないという自覚がある。
しかし,高齢社会や在宅ケアの問題を背景にして,インフォーマル・サポートに注目してこれを顕在化・活性化させようとする見解がある一方で,インフォーマル・サポートの強調は,行政の責任を放棄させることになると警告を発する主張もある1,2)。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.