連載 母と子のこころの相談室から—思春期・7
思春期の分離個体化について[2]—静かなる自立
田中 千穂子
1
1花クリニック精神神経科
pp.303-306
発行日 1992年4月10日
Published Date 1992/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900466
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先回は,思春期の分離個体化の難しさについて,『騒々しい自立』と題して,アパシー症候群のケースからお話ししました。そこで今回は,その第2部として,結婚によって親離れを果たした女性のケースから,この問題について考えてみたいと思います。その女性は20代後半ですので,もはや思春期とはいえません。しかし,彼女は結婚によってまさに,分かち難い絆で繋がった親から離れることをなし遂げたと思われるのです。
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