特集 高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)のすべて
高齢者保健福祉施策の動向
伊藤 雅治
1
1厚生省大臣官房老人保健福祉部老人保健課
pp.924-932
発行日 1991年11月25日
Published Date 1991/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900352
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はじめに
わが国は現在かつてない速さで高齢化が進んでいる。1990年から2000年までの10年間の高齢化率(65歳以上人口の割合)の上昇は,それまでの20年間を上回るものになると予測されている。高齢化の進展,とりわけ後期高齢者の増加は,ねたきり老人や痴呆性老人等介護を必要とする老人の増加をもたらし,2000年にはねたきり老人100万人,痴呆性老人(在宅)は110万人に達すると推計されている。
一方,同居率の低下,ひとり暮らし老人の増加等から家庭の介護力が低下してきており,要介護老人をかかえる家庭に対する社会的な支援システム充実の必要性が高まっている。また高齢化は老人医療費の増嵩をもたらしており,1990年で国民医療費20兆6900億円のうち老人医療費は5兆9400億円で,29%を占めている。10年後には老人医療費は国民総医療費の約36%に達すると推計されている。
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