連載 保健婦はおもしろい
この25年間を振り返って
内田 栗代
1
1筑後市役所
pp.497
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900259
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保健婦学校卒業と同時に,臨床経験もないまま地域住民の中に飛び込み,理想と現実の違いに思い悩み,一方では,地域住民の暖かい人情に触れ,日々励まされ,保健婦活動の使命感に支えられ現在までやってきたように思います。
はじめの12年間は,国保保健婦として被保険者を対象とした衛生教育や訪問活動が中心でした。はじめて,医師の指示をいただく時,治療中の患者に保健婦がどうして訪問するのか,必要ないと言われたり,血圧測定は医療行為だからまかりならぬとか,保健婦泣かせのことも多くありました。その反面,事務担当者を携えて,婦人会や地区若妻会に,昼夜の区別なく出かけ,家族計画もライフサイクルに応じた生活設計の一部であると認識してもらい,楽しく面白く衛生教育をやっておりました。顔見知りになっていくうち,嫁姑の悩みを打ち開けられたり,子供の病気や急救手当について,心の悩みや精神病,老人を抱え困っている人の相談と,次第に保健婦を利用する人も多くなり,保健婦の存在感が高まっていったように思います。
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