特集 理学療法士の国際協力
私の国際協力体験
マレーシアでの2年間を振り返って
石井 博之
1
Ishii Hiroyuki
1
1国際医療福祉大学理学療法学科
pp.1037-1039
発行日 2004年12月1日
Published Date 2004/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551100614
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「ひろバングン!(ひろ起きろ!)」
朝,いつものようにルームメイトのルッソイの声で目を覚ます.近所の子供たちが私の部屋のカーテンの隙間からにこにこしながら覗いている.ここではこれが日常である.最初はあまりのプライバシーのなさにたじろいだが,1年もたつとこのすべてが開けっぴろげな生活が楽しくなってくるから不思議である.
私は1993年から1995年までの2年間,青年海外協力隊の隊員としてマレーシアのサラワク州クチンという町にあるサラワク州社会開発省福祉局に赴任し,理学療法士としていくつかの施設を巡回した.赴任当初は言葉や文化の違いに困惑したこともあったが,1年もたつとここでの生活や言葉(マレー語)にも慣れ,日々の生活を楽しいと感じるようになってきた.周囲の人々はとても明るくて親切で,何よりも「困っている人をほうっておけない」という性分の彼らにずいぶん助けられてきた.そのおかげで日々の生活も活動も充実し,とても有意義な時間をすごすことができた.
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