特別記事
働く人たちの健康と「健康づくりの問題」—「自治体に働く保健婦のつどい」の討論から
千田 忠男
1
,
光岡 重子
2
,
二瓶 美智子
3
1杏林大学医学部衛生学教室
2千葉県野田保健所
3川崎市多摩保健所
pp.390-396
発行日 1990年5月10日
Published Date 1990/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900064
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はじめに
第22回自治体に働く保健婦のつどいが,1990年1月に横浜で,1100名余りの参加で開催されました。そこでは,「ここに集う自治体に働く保健婦は,今こそ“地方自治”という言葉をかみしめ,真の社会保障確立のために21世紀にむけて残りの10年を住民とともに力を合わせ,私たちの市町村つくり,都市つくりをわれわれの手でしていこうではありませんか」という呼びかけをもとに,基調講演,トーク,記念講演,12の分科会,4つの基礎講座,11の課題別交流集会などが催され,2日間にわたる討論が行なわれました。
さて,分科会の1つに「働く人たちの健康と『健康づくりの問題』」のテーマがとりあげられて,私たちが司会および助言者として討論に参加しました。そこでは,働く人たちの健康について本質を浮きぼりにしながら,1つひとつのあらわれを大切にした,きめ細かな討論が行なわれたという印象を強く受けました。さらに,そうした討論内容は自治体保健婦だけではなく,公衆衛生活動に従事するすべての人たちにとって貴重な素材になると確信し,広く紹介したいという思いに駆られました。そこで,2日間の討論の後半部分を私たちのメモに従っておこし,以下に紹介します。
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