特集 保健婦活動とリーダー
公衆衛生看護のリーダー
大野 絢子
1,2
1群馬県桐生保健所
2全国保健婦長会
pp.12-17
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900004
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.公衆衛生看護管理の意義
昭和12年保健所法の制定以来,保健婦は主に地方自治体に所属して,その自治体の組織目標に向かって活動を展開してきた。以来50年以上の活動の歴史がある。この間の保健婦の活動は母子保健,結核予防にその本領を発揮し,わが国の公衆衛生の発展に大きな業績を残してきたものと思う。また,近年の国民健康づくり,老人保健法に基づく保健事業や精神保健活動など,従来の事業に加えて,国民の健康に関するニーズに即応した活動をしている。
もっとも新しいこととしては,本年6月に提出された地域保健将来構想検討会報告書にみるように,保健所の機能拡大,特に計画機能や情報管理,研修などと保健所間の役割分担,市町村保健活動との役割分担,民間活動との関係など,これからの組織目標として考えなければならないことが提言されてきている。このことは,本稿の主旨ではないが,保健婦のほとんどが地方自治体に所属しているところから,今回のテーマ「公衆衛生看護のリーダー」についてふれるために,組織目標の拡大や変更は基本的なものなので,簡単に述べておきたい。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.