昭和の初めのやまい草子
みんな風邪の子?
皆本 紘志
1
1大阪府皆本医院
pp.342-346
発行日 1989年4月10日
Published Date 1989/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207732
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五六は小さい箱を前にして,思案にくれていた。胸は躍っている。心は逸るけれども,しかし,自分の腕が,果たして目的を達するまで,向上してくれるだろうか?
小箱を挟んで正座している30過ぎの男が,髭面を撫でた。彼は菓子の見本を入れて,五六の家へ持参したのである。
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