連載 老人のメディカル・チェック・15
精神疾患(2)
今井 幸充
1
1聖マリアンナ医科大学精神科
pp.314-316
発行日 1989年4月10日
Published Date 1989/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207727
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1.痴呆の診断
脳の器質性障害による記憶障害が,日常生活に支障をきたすほどの障害であれば痴呆と診断される。そのほかに痴呆性老人には種々の知能の障害や性格変化,集中力の障害がみられる1)。
記憶障害には,短期記憶と長期記憶の障害があり,前者では数分以内のことが思い出せないため,家人に何度も同じことを尋ねたり,いま食べた食事のことを忘れる。後者では,自分の年齢や最近起こった出来事などが思い出せない。痴呆性老人は,はじめに新しい記憶が障害され,痴呆の進行に伴い古い記憶も障害されてくることが多い。
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