書評
―Griffith Edwards 訳・清水 信(東京慈恵会医科大学) 森岡 洋(岸和田市・泉州病院)―アルコール症治療の手びき—診療・援助にたずさわる人のために
安田 美弥子
1
1埼玉県立衛生短期大学
pp.519
発行日 1988年6月10日
Published Date 1988/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207556
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この本は「飲酒の問題について理解し,患者と家族の評価を深め,アルコール症者と接する人々が患者に自分の能力の範囲内で適切な援助をするべきか,専門的な治療機関に紹介するべきか,他の人々の助言を求めるべきかなどを決定するための必要な基本知識をなるべく平易に述べる」ことを目的として書かれている。イギリスでの実践の翻訳であるが非常に読みやすいし,日本の社会との違いや医療・保健制度の違いによる異和感も少なく,とても理解しやすい本である。事例を読むと,アルコール症という病気は日本でもイギリスでも何と同じ症状を示すのかと改めて考えさせられる。
日本においてアルコール症者にまず出会う内科の開業医の先生方,地域で働く保健婦,福祉事務所のワーカーなどにぜひ読んでいただきたいと思う。
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