本を読む
―高齢者施設問題研究会編―高齢者の住宅・施設年報’88年度版—よりよい住・医療環境をめざして
遠藤 富子
1
,
太田 貞司
2
1東京都葛飾区水元保健相談所
2東京都荒川保健所
pp.444-445
発行日 1988年5月10日
Published Date 1988/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207542
- 有料閲覧
- 文献概要
地域の老人ケアシステムづくりに施設はどうかかわれるか
家庭訪問で独居老人に出会う。加齢とともに病気がちになり,自立が困難になる。けれども長年住みなれた家,思い出のしみこんだ家財,仲間のいる地域を離れ,捨て去り,老人ホームに入るのを,拒みつづけている。近所の世話やきさんがときどき顔を出し買物を手伝い,おかずの差入れをする。しかし徐々に一人暮らしができなくなり,福祉の担当者から再々の勧めもあり,不安とあきらめをいだきながら,柳こうり一つの荷物をもって特養ホームに入所していく。
そのような老人に出会うたびになぜ自分の生きてきたまちで人生の最後を豊かに迎えることができないのか,そういうことを可能にするまちづくりのあり方を追究しなければならないと思う。
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.