扉
年報(Annual Report)作成と扉
池田 幸穂
1
Yukio IKEDA
1
1東京医科大学八王子医療センター脳神経外科
pp.1125-1126
発行日 2011年12月10日
Published Date 2011/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101587
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毎月本誌が送られてくると,私がまず目を通すのが,最初の「扉」です.「扉」を執筆される先生方と,立場や年代が近いこともあって,各先生のいろいろな思いが伝わってきて興味深く読ませていただいております.さて,どの教室も論文・学会発表・手術件数・入院患者数など,教室の実績を盛り込んだ年報(Annual Report)を作成されておられると思います.私の現在の職場は本院ではないため,当初は作成に躊躇していたのですが,新卒後臨床研修制度の導入も視野におき,医局の活動を肩の凝らない形で紹介する目的で,毎年作成しております.最初の「扉」の頁として「巻頭言」を書いています.記載の多くは,1年間の病院・医局の活動実績の総括とし,残りの部分に,私がその時々に感じた雑感を付記しています.今回の本誌「扉」では,過去数年の年報に記載した私の雑感の一部を紹介したいと思います.
世の中は,IT,グローバリゼーションといった言葉に代表されるように,なにもかも超高速化の流れです.一方,このような流れに必ずしも異論を唱えるわけではないでしょうが,『スローライフ』(筑紫哲也著),『本の読み方 スロー・リーディングの実践』(平野啓一郎著)なるタイトルの2冊の本に接する機会がありました.さらに,「スロー・フード」,「スロー・ラブ」なる表現も最近,散見されています.入局当時,恩師から言われたことをふと思い出しました.「臨床や研究の姿勢で重要なことは,決して流行にとらわれないこと,そして常にSlow but Steadyであれ」.(Annual Report 2006:2007年1月記)
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