特集 「在宅老人への社会サポートシステム」
在宅老人のニーズの多様化に応える訪問看護を実践するために—電話相談を有効な手段として
足立 紀子
1
1東京都世田谷区衛生部
pp.130-135
発行日 1988年2月10日
Published Date 1988/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207483
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いつでも受けてくれる電話相談と訪問看護婦
事例1
老夫婦のみで,相談相手のいない場合
85歳のSさんは,老衰のため次第に身のまわりのことができなくなり,老妻の全介助によって生活している。几帳面な性格の介護者は食事・排泄・清潔などすべてに気を使い十分すぎる位の介護をしており,どちらかというと訪問看護は不要のように思える位である。
しかし,保健所保健婦の紹介で申請があり訪問を開始した。実際に訪問してみると,もっぱら妻の不安や愚痴を聞くことに終始し,時に気付いたことは助言するという対応になる。担当の看護婦にとっては,Sさんへの訪問看護とは一体何だろうということになろう。
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