実態調査
私たちの暮らしと意見―大阪府 衛保会員実態調査(その1)
林 義緒
1,2
1衛保会
2大東保健所
pp.1096-1100
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207451
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衛保会では,会員に対して今年,3回目の「会員実態調査」をしました。これは10年目ごとに実施しているもので,調査をはじめて20年目を迎えたということになります。年齢でみるなら33歳と36歳が27人で多く,ついで32歳が続きます。既婚率も77%と高く,子供は2人という人が45%で,3人の方も19%います。市町村保健婦が年齢も若く,就職して日の浅い人が多いのに比べると,大阪府の保健婦集団が地域ではたす役割は,府と市の関係というだけでない重みがあると思わせる結果でした。男女雇用機会均等法が出た今でこそ,女性の働くこともあたりまえになりましたが,今までの苦労は大変なものであったわけです。女ばかりの職業なので,先輩に学び生活の智恵をわけあい,助けたり助けられたりしての日々でした。
仕事量としては難病・痴呆老人・障害児者,最近はエイズの相談なども,ふえこそすれ減っていくものはない実情です。乳幼児の特別健診がはじまった頃は,夜の8時までも健診があって,子供の保育所送迎も家事も他人まかせということもありました。目の前の仕事にまじめにとりくみ,金がないとか人がたりないとかは,いつもあとからの要望になってきました。全国的に保健所の"空洞化"が言われているときに,大阪府の保健所である程度は住民の期待に沿った仕事ができているのは,保健婦たちの「やる気」に支えられてきたものも十分あったはずです。
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