書評
―編集 丸地 信弘 島内 節 松田 正己―事例と対話するトータルケア—CUREとCAREの一体化をめざして
山根 祥右
1
1島根医大
pp.216
発行日 1987年3月10日
Published Date 1987/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207299
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編集代表者丸地信弘東大助教授は,モリエールの言葉「人の見えないことまでお前は見る。そして,それを人が見えたというまでお前は努力せよ」をひきながら,従来の保健・医療実践における専門スタッフの立場からの一方的な知識と技術の提供や援助という「課題対応の姿勢」を批判し,本書の発刊目的を,実践的事例研究を通じた批判的方法論の提起におかれている。
すなわち,よりよい医療実践,日本の条件下におけるプライマリーヘルスケアのあり方を追求する方向性の枠組のなかで,多くの分野のスタッフを含め,お互いのかかわりの態度,経験,実践事例を素材とし,自律,学習,対話,共感を通じて相互啓発を行い,事象を相対的にとらえ,主体形成の理論と方法論を提起したユニークな刊行といえよう。
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