活動の場からの提言
"「母子」保健"に思う—子育ての現場から
高瀬 和子
1
1共同保育所ごたごた荘
pp.978-981
発行日 1986年12月10日
Published Date 1986/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207247
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
「ねえ,この子3歳過ぎても指しゃぶりしているのおかしいっていうの。スキンシップや手を使って遊ぶことが不足しているんじゃないかって。あなたどう思う?」保健所での乳幼児検診の帰り,保育園に立ち寄った母親のことばである。又ある知人は「健診にいったらね,うちの子,ことばが遅いっていわれたの。親があんまり話しかけたり遊んだりすることが少ないんじゃないかって。でも私なりに一生懸命育ててきたつもりなのよ。もしかしてこの子"知恵遅れ"じゃないかしら……。」
彼女たちの不安そうな表情を受けとめつつ,このような話を身近に伝えきくたびに,私たち住民の立場から,健康診断のあり方を,いま一度問い返さなければならない状況が生まれてきているのではないか……そんな思いを痛切に感じたのです。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.