特集 母子保健の新たな風
地域の中の子育て—これからの母子保健活動
土居 眞
1
1厚生省児童家庭局母子保健課
pp.175-181
発行日 1995年3月10日
Published Date 1995/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901104
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はじめに
母子保健法,児童福祉法が一部改正され,平成9年4月から施行される。住民に身近な新生児訪問,妊婦健診,3歳児健診等の基本的な保健サービスは市町村,未熟児訪問,身体障害や小児慢性疾患患者らの療育相談など,専門的なサービスは保健所で実施することになる(図1)。母子保健法は昭和41年に施行された。生活水準の向上,保健知識の普及,医療施設の整備等により乳児死亡率等は著しく低下し世界でも高水準の母子保健水準になった。しかし,母子保健をめぐる環境は大きく変化し,そのニーズも多様化,高度化し,新たな質の保健医療活動の展開が望まれるようになってきている。
また,一方では,平成6年5月に「子どもの権利に関する条約」が批准され,9月には「国際人口開発会議」でリプロダクティブ・ヘルス/ライツが提唱されるなど,権利としての健康の認識が国際的に高まってきている。また,少子化対策として12月に厚生省等4省庁によって「今後の子育て支援のための施策の基本方向について」(エンゼルプラン)が作成された。これらの状況をふまえ今後の母子保健活動を進めていく必要がある。
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