成人/調査
高脂血症を伴う肥満と伴わない肥満との疾病との関係について
宮川 喜美子
1
,
山口 雅子
1
,
上田 栄
1
,
森 綾子
1
,
鳴海 幸子
1
,
小田 和子
1
,
前田 奈留美
1
,
森本 美智子
1
,
上田 明美
1
,
山本 英子
1
,
今城 好恵
1
1日本鋼管福山製鉄所福山病院健康管理科
pp.413-415
発行日 1986年5月10日
Published Date 1986/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207166
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I はじめに
日本人の食生活は,第二次大戦後,穀類中心から,高脂質,高蛋白へとしだいに欧米化してきた。このことは青少年の発育,肺結核などの戦前型疾病構造を変えてきたが,反面,脂質や砂糖の摂り過ぎ等による。所謂飽食型成人病の増加や低年齢化が問題となっている。同時に日常生活では機械化が進み,特に自動車の普及は,歩行の機会を減少させて,運動不足に拍車をかけている。一方,現代の複雑な社会構造は,人々の精神的ストレスをも生み出す結果となっている。こうした著しい社会の変化は,もろもろの成人病をひきおこす誘因となっており,肥満はその出発点と考えられている。そこで今回,成人病の温床といわれている肥満と高脂血症に着目し,疾病との関係を調べてみた。その結果,肥満者は,高脂血症を合併する頻度が高く,また,高脂血症を伴う肥満は伴わない肥満より,疾病にかかりやすいという興味ある結果を得たのでここに報告する。
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