Japanese
English
特集 腎疾患の診断と治療 最前線
III.各論2:全身性疾患に伴う腎障害(診断と治療)
21.肥満に伴う腎障害
Obesity-related kidney disease(ORKD)
山本 毅士
1
Yamamoto Takeshi
1
1大阪大学大学院医学系研究科腎臓内科学
キーワード:
肥満関連糸球体症
,
肥満関連尿細管症
,
近位尿細管
,
空胞病変
,
リソソーム
Keyword:
肥満関連糸球体症
,
肥満関連尿細管症
,
近位尿細管
,
空胞病変
,
リソソーム
pp.272-277
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000001612
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
1 はじめに
「肥満に伴う腎障害」とは
肥満は世界的な健康問題であり,多くの疾患のリスクを高めることが知られている。そのなかでも腎障害は重要な合併症の1つであり,肥満は慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)の進行リスクとなる。米国の腎移植ドナーにおける腎不全リスクを約11万人,最長20年にわたって検討した研究では,body mass index(BMI)30 kg/m2以上の肥満ドナーにおける末期腎不全のリスクは,1万人あたり肥満では93.9人,非肥満では39.7人であった。比較的健康であるドナーにおいても,肥満が腎不全の危険因子であることがわかる1)。さらに近年,肥満と腎機能低下の関係を検討する大規模なメタ分析が行われ,肥満はCKDの有無にかかわらず腎機能低下イベントの発生に関連していた2)。Kidney Disease:Improving Global Outcomes(KDIGO)2024 CKD Clinical Practice Guidelineでは,健康的な食事・運動・体重管理といったライフスタイルの重要性が強調されている3)。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.