口絵
水の一生
pp.5-8
発行日 1959年4月10日
Published Date 1959/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201835
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春雨じや,濡れていこう…と情緒深く詠われる雨も一度は下水道をくぐつた水であるかもしれい.およそ,水という水は人間の体の中を通り抜けて下水をくぐり抜ける運命にあるのではなかろうか,そして再び天上のものとなつて行くのであろう,この循環は,鶏と卵の関係と同じどちらが先きであるかは,知る人ぞ知る--である.
先ず液体と称するもののうち,下水ほど高級な液はない.その中には有機無機を問わず自然界文明社会の労作になる,あらゆる物質が浮遊し溶存しているのであるから.
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