連載 活動の中から
わかれ道
吉田 幸永
1
1京都府日吉町
pp.784-785
発行日 1982年9月10日
Published Date 1982/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206573
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1982年4月16日,ソッと近づいてきた課長「この特別健康相談の調査報告ちゃんとつくって21日までに保健所へ出すようにしてくれ」「えっ,課長,これは,机の上だけで書けるものではありません,今日ちょうど三混で解放センターへ行きますし,地元の役員さん,センターの職員,F医師らと相談して,今年はどんな中身で,いつ頃やってほしいかをきいてからでないと……」「よく読んでみ,それはただの報告でよいのだ」「なんでただの報告でよいのです? 調査報告となっていますのに」「今はただの報告でよいのだ」「そんなこと,課長おかしいでっせ」「しつこう,しつこう言わんでも報告だけでよいのだ」「……?」「わしの言うことに,なんでそれほど文句言わんならんのだ! 君はただの保健婦だけとちがうのだ,課長補佐と衛生係長の辞令が出とるのだから,それ位のことはやるべきだ」「なんでです! たったの1.5人の保健婦でいっしょうけんめがんばっているのに! ようそんな,わけのわからんこと言わはりますなあ」「……」課長だまって算盤をはじくフリ……。
「課長,課員がよい仕事をしようと課長の調査報告の考え方がおかしいと言うているのに,なんで無視しやはるのです。なんで私の言うていることを,まともに聞こうとしやはらへんのです」「………」相変わらず算盤をはじく課長。
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