調査報告
腰痛の実態とその対策
岩井 浩
1,2
,
市川 里佐子
3
,
井上 香
3
,
上田 よし乃
3
,
織田 初江
3
,
小西 葉子
3
,
中野 綾美
3
,
松本 千佳子
3
1高知女子大学
2岩井クリニック
3高知女子大学家政学部衛生看護学科
pp.697-703
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206559
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はじめに
人類が2本足で歩きはじめて以来,腰痛は人間にとって宿命的疾患であり,しかも,最も頻度の高い愁訴でもある。日常遭遇する腰痛そのものは,生死にかかわる場合が非常に少なく,そのため,今日まで一般の人からも医療従事者からも深い関心をもたれる機会が少なかった。一般に,医療従事者は,生死にかかわらぬ腰痛よりも生死に関係した癌等の悪性腫瘍や心臓・血管疾患,中枢神経系疾患に寄せる興味の方が大きく,腰痛は,最も頻度の高い疾患のひとつでありながら,その方面の解明への努力・研究に励んでいる専門家は少ないのが現状であろう。
今日,腰痛そのものを概括的にとらえた論文は非常に少なく,腰痛対策の基本である腰痛に関する疫学的調査すら乏しいのが現状である。
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