連載 活動の中から
ほりおこしというけれど(2)
吉田 幸永
1
1京都府日吉町
pp.692-693
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206557
- 有料閲覧
- 文献概要
表戸のふきそうじをやっていた主婦は,私をチラッとみて,何者かな?という反応を示した。こんな時わが町ならば,「ああ保健婦さん,今日はどこ行え?」と,ツーカーでつながるのに…知らぬ土地での,よそ者のむなしさを覚えた。「ちょっと教えていただきたいことがあるのですが……」「……?」「この近くで昔,マンガン山へ行っておられた方,どなたか…?」「どこから来られたんです?」「隣の日吉町から,昔マンガンの仕事をしていた人といっしょに来ました」「ああ,…マンガン,そんなら私も選鉱に行ってましたけど…!」「抗(しき)の中でですか?」
抗内を鉱山の専門家は抗(しき)と言う。この言葉をスムーズに使う私を,元マンガン鉱山の仲間と思ったのか,主婦の態度がかわり「うちの旦那も行っていましたし,この下の人も,その1軒おいて隣の人も……」
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.