活動報告
都市型保健所における精神障害者への援助について—単身で発病した事例を通して
安田 美弥子
1
1東京都北区赤羽保健所
pp.714-720
発行日 1980年9月10日
Published Date 1980/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206292
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はじめに
急性伝染病および結核が減少し,出生率の低下もいちじるしい今日,保健所における保健婦活動にも大きな変化が求められてきています。集団を対象とした公衆衛生活動から心身障害者への援助活動やねたきり老人への訪問看護,難病患者への訪問活動など個人を対象としたサービスへの比重が大きくなってきています。
そのなかで昭和40年代中頃から精神衛生活動についての関心がたかまり,各所の保健所でも第一線機関として精神障害者への取り組みが始められました。私の勤務する赤羽保健所でも昭和50年から月1回の精神衛生相談が開設され,保健婦も積極的に訪問活動などを行っております。私自身も日常業務の一環として3年余り,精神衛生活動を行い10数例の精神分裂病の患者さんと出会いました。そのなかで特に都会の保健所ゆえの難しさを感じたケースを報告し,あわせて保健婦の役割について考察してみたいと思います。
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