連載 活動の中から
F君と家族
吉田 幸永
1
1京都府日吉町
pp.396-397
発行日 1980年5月10日
Published Date 1980/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206251
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ダウン症+てんとうてんかんの合併症をもつF君は満3歳になった。この3年間には,いろいろあった。中でも父親Sの存在は私たちにとって,はなもちならぬ存在である。
1978年12月28日,F君の治療がルートにのるきっかけをつくった向陽保健所行の日,しぶる母親のAを励まし,ねんねこやおしめぶくろを私の車におしこみ,ホームコタツにもぐったままのSに,「行ってきます」と声をかけてスタートした。この日は脳波検査に時間がかかり帰宅は午後9時をすぎた。朝と同じ姿勢でコタツにもぐっているSに,「ただいま帰りました」と,F君をさし出したが,SはFをうけとろうとせず,ねべやの方へ行ってしまった。
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