研究・調査・報告
母乳栄養確立の援助に関する研究・Ⅰ—母児の退院後1〜2週の生活実態/母乳栄養確立の援助に関する研究・Ⅱ—退院後1〜2週における母乳栄養の実態と人工乳への移行理由についての検討
安住 矩子
1
,
宮里 和子
1
,
河西 弘子
1
,
松村 八十三
2
,
産婦人科病棟スタッフ
2
1国立公衆衛生院衛生看護学部
2三井記念病院
pp.165-175
発行日 1980年3月25日
Published Date 1980/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205679
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1.はじめに
第9回日本看護学会母性看護分科会(1978年)において,「三井記念病院における母乳栄養の実態」第1報として報告したが,入院中,母乳栄養だけというケースはなく,産褥5日目の時点で母乳のみで足りていた者は2名(調査対象461名中)のみであったという結果が明らかになった。
この数値は病院側の授乳方針をそのまま反映していた。生後,はじめて新生児が口にするものは5%のブドウ糖液であり,つづいてミルクが与えられ,そのあと母乳の分泌状況をみて母乳が与えられる,というのが当時,病院でおこなわれていた手順であった。当然ながら母乳のみのケースがゼロとなっていたのである。
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