特集 母子保健と保健婦活動
調査報告
乳幼児期の予防接種における母親の意識調査
鈴木 良子
1
,
飯田 澄美子
2
1神奈川県立看護教育大学校看護教育科
2神奈川県立衛生短期大学
pp.832-837
発行日 1978年12月10日
Published Date 1978/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206060
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1.はじめに
予防接種は乳幼児期の免疫のあり方から考えても,疾病予防において欠かせない大切な一手段である。その多くは地方自治体により集団接種の形式がとられている。かつて伝染病が流行しそのため数多くの生命がうばわれた時は,公衆衛生上集団接種も必要であったが,現在は伝染病も減少しており,頻発する予防接種事故に国民の関心が高まってきており,昭和51年6月19日に28年ぶりの法改正が行われている。平山1)も予防接種事故に関して事故救済制度の確立や必要な予防接種の選択とともに,かかりつけの医師のもとで健康管理され,個人にそった接種計画のもとで行われる個別接種の方向へ移行すべきではないかと報告している。
筆者は2年余りこの予防接種業務に携わってみて,一会場で短時間に多くの人々に接種する集団接種の方法は個別接種の方法に比べて,その家族が不安を強くもったり機械的だと感じるのではないかと疑問をもった。そこで実際にわが子に予防接種を受けた母親達を対象として
(1)集団接種による乳幼児期の予防接種に対する母親の認識と不安傾向を知る。
(2)その不安傾向が実施主体によって,すなわち保健所で受ける者と市役所で受ける者において違いがあるかどうかを知る,の2点から実態を把握し今後の方向について考えてみたいと思い,この調査を行った。
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