発言席
働く婦人と保健婦の役割
長橋 千代
pp.225
発行日 1978年4月10日
Published Date 1978/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205965
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このテーマで書こうとしたとき,私はすぐ適任でないことに気付きました。余りに保健婦を知らなさすぎるのです。保健婦というと,保健所に所属し,妊婦さんのために母親学級を担当したり,未熟児の育児指導をしているというイメージを持つのです。私といっしょに仕事をしている助産婦は,保健婦の有資格者ですが,助産婦として働いています。それで保健婦については,私の地区の保健所の保健婦しか知らないのです。もう15,6年前になりますが,中国とソ聯の保健所を訪れたことがありますが,そこで保健婦の仕事は実に広汎なものでした。その地区の住民の健康管理から,妊産婦の保健指導,衛生思想の教育等々,その活動の領域は広く深いものがありました。そして自信に満ちて仕事をしていました。
保健婦はもとより働く婦人の一人であります。現在第一線の方々は,たいていお子さんの一人二人を持ち,現在よりもっときびしい労働条件のなかを働き続けてこられた働く婦人の先輩であるのです。そしてその経験に基づいて,働く婦人の保健の正しい指導という重要な立場にある方々であります。
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