調査報告
大学に勤務する保健婦・看護婦の現状から
尾崎 節子
1
1長崎造船大学
pp.210-215
発行日 1978年3月10日
Published Date 1978/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205963
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I.はじめに
現在全国の大学・短期大学に勤務し,保健管理や保健教育に従事する保健婦・看護婦の置かれている状況は決して満足できるものではない23)。
少し古い資料21)であるが,私は去る昭和46年・47年にかけて"大学保健管理における保健婦・看護婦の役割について――その現状と問題点"というテーマで,九州地区大学・短期大学に勤務する保健婦・看護婦を対象に調査した結果,大学での保健管理の重要な部分を保健婦・看護婦が担っていると認識できたが,その役割の重要さに比較して,置かれている状況は問題多きものであった。そして大学に勤務する保健婦・看護婦の要求や努力にもかかわらず,現在に至ってもめだった改善はみられない。ここに看護界以外の一般社会で考えている保健婦・看護婦の社会的地位の位置づけや,"看護"への評価をみることができるように思う。そこで大学の保健管理上要求された保健婦・看護婦の役割とは一体何なのか。役割とは裏腹に,置かれている状況との矛盾から看護とは何なのか。また本来の看護のありようを考えたが,究極は保健婦・看護婦が受けた教育内容や教育制度の問題につき当たったのである。現在まで看護教育について多くが論じられているが,看護界内部からは"看護"の質・レベルなど内容の問題として論じられている13)ことが多いように思うので,ここに内容の問題とともに別の観点からの意を述べたい。
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