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わが国初の市郡別がんマップ完成
pp.380
発行日 1977年6月10日
Published Date 1977/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205867
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わが国の"がん"の死亡率は①日本海側と紀伊半島の市郡に多く,②胃がんが減る反面肺がんふえており,③子宮がんはかつての結核の分布に類似している――このほどまとめられた大和ヘルス財団の成人病疫学分布研究協議会の"市郡別がんマップ"が注目すべき傾向を明らかにした。
わが国における"がん"による死亡者数は毎年13万〜14万人で,死因順位としては昭和28年以来ずっと,脳血管疾患による死亡に次いで第2位を占めており,しかも増加の趨勢にある。この重大ながん疾患の原因については世界各国で研究が重ねられているが,いまだその本態は解明されず,またその分布は世界的に著しく異なり,国内でも地域的な差異はもちろん,年齢階層別・性別・職業別にもその発生に差のあることが指摘されている。
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