連載 活動の中から
仲間は行動する(1)
吉田 幸永
1
1京都府日吉町
pp.316-317
発行日 1977年5月10日
Published Date 1977/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205857
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昨年の10月,近畿地区国保保健婦研修会を京都で開催した。1泊2日の研修会で,夜自由集会をもった。1年に1回顔を合わせる近畿保健婦仲間の,いわゆる自由な集会である。
この集会で兵庫県の平岡さんが,「行政のしくみがかわり,予防注射をやらされそうなんです……」とぐちっぽく訴えた。でわたしは「あんたは予防注射をするのか,せんのか」「……?」「予防注射を保健婦がするのが保健婦としての仕事だと思ったら,やったらよいやないの,まちがっている,保健婦はそれよりも大事な仕事があるんだと思ったら止めたらよいのとちがうか!そんな浮草みたいな保健婦で,あんたとこの町はようつとまるなあー」と言った。するとN県の先輩保健婦が思わず立ち上って,「吉田さん,そんなひどいこと言って,兵庫の若い保健婦さんは今悩んでいられるのに……」「ちがう,もがいているから,ああいう発言が出るんや,何にもものを言わん保健婦こそ何にもやらん保健婦や,そんなかばい方は止めといてほしい,のびようとする彼女の足を引っぱる」「そらちがいます。吉田さんは先っきから誰にもものを言わさんと一人でわいわい言うたはる,司会の人もっとしめてもらわんと困ります」「あんたおかしい,吉田さんいっしょけんめ,ものを言うている。みんなもまけんと言おうかいなにならんと…」激しいやりとりの中で兵庫の平岡さんは涙ぐみながら,もがきつづけた。
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