特集 はだしで濶歩!それが支えの人生街道—仲よし会(愛知県)の活動から
プロローグ
はみ出し,ずっこけ仲よし会—内に秘めた情熱はいつの日か
伊藤 うら
1
1刈谷市役所
pp.194-197
発行日 1977年4月10日
Published Date 1977/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205826
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昭和37年,国保保健婦となったけれども,国保とは何かなどという予備知識などなく,どんな働きがよいのか見当がつかなかったが,さいわい前任者がいたので,見よう見まねで毎日を過ごした。しかし事務量の多いことにおどろいてしまった。国保も昭和36年より開始とのことであり,レセプトの確認事務から療養給付を医療機関別日数・点数・病名等給付台帳に転記する。私はソロバンが何よりのにが手であり,そのため一度も家計簿もつけたためしがないのに,毎日毎日,ソロバン片手の仕事は苦痛の連続であった。私は事務職は3日とやれないナーと心から思い,市役所に入ったことを悔いたりした。だから,人の目をぬすんでは訪問に出かけた。ソロバンをやっているとすぐ頭痛がしてくる。
「あんたは訪問がすきだネ」と隣の女子職員に言われるとつい「すみません」と言ってしまう。
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