書評
—編集 日野原重明—成人病の発見から管理まで 改訂第3版
山下 章
1
1東京医科大学公衆衛生学教室
pp.5
発行日 1976年1月10日
Published Date 1976/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205672
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流れ作業の一局所だけを受け持って,1日中明けても暮れても,それだけが仕事である,といった単調労働そのものも興味がうすれがちであるが,その作業が何からどのようにして何を作りあげているのかがわかっていないとしたら,毎日がまことに味気ないものになってしまう。われわれの仕事にも大なり小なりそういった傾向がある。とくに成人病のような幅広い疾病に対する場合,その感が強い。
本書の出版の意図が,基礎,臨床,予防など各分野で成人病に取組んでいる医師や保健婦が,成人病の全貌を統合的に理解するのに役立つように,というところにあったと聞く。従って書名も"成人病の発見から管理まで"とし,内容もまさにその名にふさわしいものになっている。すなわち高血圧,癌,心臓病,呼吸器疾患,糖尿病について,原因,診断,治療,さらに保健婦による指導要領等について日本の医学の現役の第一人者が分担執筆されている。企画者の慧眼に改めて敬意を表したい。
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