調査報告
島根県八束町における不明肝疾患の実態について(第2報)—国保レセプトによる検討
芦谷 斗美子
1
,
門脇 和子
1
,
梶谷 千代栄
2
,
石橋 貞子
2
,
長岡 美津江
2
,
田中 智津子
2
,
神崎 トモエ
2
,
関 龍太郎
2
,
山根 洋右
3
1島根県八束町
2島根県松江保健所
3鳥取大学医学部医動物学教室
pp.178-184
発行日 1975年3月10日
Published Date 1975/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205586
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昭和43年頃から,島根県八束町において国保医療統計上肝疾患が増加し,住民の健康管理上,その実態把握,原因究明,対策樹立が緊急の課題となっている。
第1報では,八束町二子地区の疫学的実態調査を軸に,その本態が流行性肝炎であることを明らかにし,更に,その流行の遷延化については,上下水道の不備,汚染された飲料水,部落の地理的構造,主婦の行商形態による過労と食生活のアンバランス,頻繁な飲食交際などの地区特有の条件が助長要因として関与していることを推察し,合わせて血清反応,鼠族の検索によってワイル病発生の危険性も明らかにし,今後の対策として,上下水道など環境条件の整備,届出制の実施など緊急な課題と共に総合保健体制確立を提示している1)。
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