調査研究
地域における栄養調査方法の検討
古川 美枝子
1
,
合田 良子
1
1大阪府立成人病センター
pp.618-622
発行日 1974年11月10日
Published Date 1974/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205539
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I.はじめに
各地域住民に対する栄養改善を推進させるためには,実状を正確に把握し,問題点の発見に努めることが必要である。そのために種々の栄養調査が行なわれている。しかし,摂取状況の調査のみで問題点の発見が具体的になされなかったり,又,調査が不十分で地域あるいは個人の実状の把握をしないまま,一般的な指導が行なわれたりして,適切な栄養指導に結びついていない場合が多い。
例えば,国民栄養調査方式は,集団の特性を把握し,集団としての指導方針を示す意味では重要なものである。しかし,この方式は家族単位の調査であるので,家族の平均としての指導は行ないうるが,各個人に対する具体的な栄養指導を行なうことについては問題が残る。又,個人別秤量方式や買上げ方式のように個人を単位とした方法がある。これらの方法は個々の摂取状況を把握しうるものではあるが,手間と時間がかかり対象者に負担を与えるため,多くの人々に行なうことは困難である。
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