世界の保健・医療制度/過去・現在そして未来……
英国における医療制度—1
田中 恒男
1
1東京大学医学部保健学科
pp.352-354
発行日 1974年5月10日
Published Date 1974/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205478
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英国は自由主義経済諸国の中で,きわめて早い時期に医療を国営という原則において社会化し,いわゆる包括医療を提供した国である。しかも,その形態の中で一種の自由開業制に近い様式をとりこんでいる意味では,共産圏・社会主義体制における医療の提供のしくみと一線を画している点でも特徴がある。このような意味では,単にわが国や米国の医療形態と並べるだけでなく,なぜこのようなしくみが成立したのかを考え,そのうえでこうした制度がどれだけ人々の役に立っているかを考えるのでなければ紹介の意味がないと思われるので,とりあえずその成立過程についてのべてみよう。
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