Recent Nursing
鎖肛の看護Ⅰ
高坂 みつゑ
1
,
富田 浩子
1
1国立小児病院
pp.198-199
発行日 1973年3月10日
Published Date 1973/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205246
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はじめに
鎖肛とは直腸肛門奇形の総称名であり,比較的数も多く,小児外科では重要な疾患の1つである。当院では250例あまりを経験している。現在は単に救命するだけでなく,将来正常に排便機能が営まれるように術式にも種々の改良が試みられており,病型にあった治療がなされる必要がある。入院期間が長く治療や病院生活に適応させ,将来児の心身にできるだけひずみを残さない方向で看護する必要があるし,また,家族の忍耐強い協力が不可欠なので,奇形という深刻な影響を考えながら,努力を児に集中させていくように指導することが必要であろう。人工肛門造設術後,根治術に備えて家庭療養中の児や,根治術後の排便指導など,その児その児に適した保健婦の指導と援助があれば,家族はどんなに心強く,子供たちもしあわせだろうかと,私たちは常々考えているのだが………。
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