原著
都市住宅地域の家庭の保健状態と家庭の健康管理者としての主婦の役割
佐々木 武史
1
,
西川 捨己
2
,
前田 ちゑ
2
,
水野 美和子
2
,
植田 妙子
2
,
小林 ヒサヱ
2
,
藤岡 貞子
2
,
上本 智恵子
2
,
谷口 明子
2
,
土居 ひよし
2
,
前田 登代
2
,
岡 陽子
2
1京都府立医科大学公衆衛生学教室
2京都市左京保健所
pp.60-68
発行日 1973年1月10日
Published Date 1973/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205210
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はじめに
高度経済成長に伴う地域像の著しい変動によって新たな健康阻害が問題となってきている。
しかしながら,保健所は結核,母子保健中心の管理に重点をおいた保健活動を続け,地域住民との接点が一方的となっている感がある。地域の複雑多様なニードの取扱いには,保健技術の向上,担当者の専門性の強化,医療福祉教育などの関連機関との連けいと分担範囲の整理や明確化が特に要求され,問題者に対する"働きかけ"1)は当人を含む世帯単位として行ない,家族隣人などの第1次集団の参加や,準専門ならびに専門機関の動員が有効といわれている。第1次集団に対する働きかけには家庭の保健の実情を知るのがかんじんであるが,大都市では実情の把握が困難なことが多い。われわれは左京保健所の管内で,住民の保健衛生に関する基礎的調査を行ない,地区組織との関係を前に報告した2)が,今回は都市住宅地域の家庭の健康管理の状況と,保健指導や健康教育を進めていくための接近方法について,おもに地域健康管理の観点からまとめた。
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