特集 住宅と健康
家庭内事故と住宅
大柿 好春
1
Yoshiharu OOGAKI
1
1国民生活センター危害情報室
pp.124-128
発行日 1984年2月15日
Published Date 1984/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206822
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■はじめに
消費者の生命・身体および財産に対する被害の防止に資するため,各地の消費生活センターおよび病院から商品関連の事故や家庭内での事故など,危害事例を収集し,これを分析評価して情報提供する,これが国民生活センターが実施している危害情報システムである.
商品関連事故にしても家庭内事故にしても,特定地域で集団的に発生して表面化するものは比較的少ない.全体的には大量に発生しても,散発的で表面化しにくいものが多い.散発的であっても,頻度の高い危害,深刻な危害も少なくない.事故は使用者の誤使用によるものか,商品や設備に問題があるものか,あるいは安全基準の不備によるものか等,単純にきめられない事例が少なくない.しかし,事故そのものは,使用を通じての安全性の評価であり,その貴重な経験は,今後の商品改良や消費者啓発に十分反映させることが必要で,危害の実態を把握し,事故原因を追跡調査し検討して消費者,企業,行政のそれぞれが事故防止について見直し,考え直していくようにフィードバックしていく体制が必要であり,これが危害情報システムである.
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