学生の研究
自閉症児の現状と保健婦の役割
山城 和子
1
1静岡赤十字病院小児センター
pp.70-76
発行日 1972年5月10日
Published Date 1972/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205090
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はじめに
人間は社会的な存在として,他とのかかわりあいのなかで成長し生活していく。しかし,知的にも身体的にも目立った欠陥がみられないにもかかわらず,感情的な交流が芽ばえず,周囲への関心もなく,自分ひとりの世界のなかで生活し,他人の存在を無視したような振舞いをする子供—自閉症児—がいる。
その自閉症児の問題は,ここ数年間,児童,精神医学,社会福祉やその他の種々の分野でも,また社会からも注目され,さまざまの研究がなされているが,自閉症の定義づけもなされていなければ,治療教育もはっきりしていない。しかし,こうしているうちにも自閉症児は発見されている。
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