特集 現代社会と家族・保健婦がみつめた実態をもとに
子供たちの成長を阻むものは—肢体不自由児施設から
谷口 邦子
1
1整肢療護園
pp.24-26
発行日 1971年10月10日
Published Date 1971/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204962
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はじめに
肢体不自由児施設に収容されている子供たちは先天的にか出産時に障害を持って生まれた場合が多い。脳性小児まひ,先天性骨形成不全,脊髄損傷,サリドマイドによる奇形などが多くを占める。こうした病気のうち比較的軽症の子供たちが私の働いている施設に入園しているが,生まれつき障害を持って成長してきた子供にとって,大きなハンディを背負いながらも,将来社会の一員としてどう彼らの生活を彼ら自身の手で築き上げていくかが大きな課題となっている。そうした子供たちと社会をつなぐパイプの役割としての療育がこの施設でも重要な部分であるが,その働きを施設自体,また子供たちの父母がほんとうにたいせつに考えているかどうか疑問に思うことが多い。そうした疑問を私の働いているまわり,子供と家族と施設の日常から拾って考えてみたいと思う。
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