特集 第28回日本公衆衛生学会シンポジウム集録
社会変貌とこれからの乳幼児保健
船川 幡夫
1
,
堀田 之
2
,
宍戸 健夫
3
,
小嶋 謙四郎
4
,
松島 富之助
5
,
北田 章
6
1東京大学教育学部
2愛知県美浜保健所
3愛知県立大学児童教育学
4早稲田大学文学部
5総合愛育研究所
6大阪府衛生部
pp.1-27
発行日 1971年9月10日
Published Date 1971/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204953
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司会 ただいまから,「社会変貌とこれからの乳幼児保健」という題名のもとに,シンポジウムを行ないます。
ご承知のように,保健所における乳幼児保健指導の実際活動は,終戦後の保健所の再整備をきっかけにして,近代的な指導体制が整ってきたわけです。しかし,その当時の一般社会の状態というものは,ご承知のように,いろいろ混乱のある時代でしたし,環境衛生面からも,子どもの健康問題についても,母性の問題につきましても,いろいろと問題が多かった。しかも,それを指導すべき,あるいは保健管理をやるべき保健所の側としましても,まだ十分に体制は整っていないし,医師の側にしても,あるいは保健婦の側にしましても十分ではなかったという状態から出発したわけです。したがいまして,その当時としては,とりあえずは乳児,あるいは子どもの死亡の防止ということを中心にして,保健指導が行なわれてきた。あるいは,疾病予防を中心にしてやってきたということも,その時代としてはやむを得なかった,あるいは当然だったというようにも考えられます。
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