研究
僻地の生活の変貌と保健問題
金子 勇
1
1千葉大学農山村医学研究施設
pp.436-447
発行日 1974年8月15日
Published Date 1974/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204878
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現在,農村は激しい変貌を続け,農村民は様々な健康障害に見舞われている.それは貿易・為替の自由化,高度経済成長政策やそれにともなう農業「近代化」政策に起因しているといわれる.今や農村は,資本主義発達の踏台となる中で生じて来た諸問題に,'60年代の急速な資本主義高度化にともなう農業農民切棄てから生じた諸問題が加重され,健康面でも新旧二重の障害に蝕ばまれていると考えられる.こうした動向は,僻地においてより深刻となっている1,2).
地域保健対策上,かかる社会的状況を歴史的動的に把握することは,健康の背景として不可欠であるにとどまらず,生活と健康を破壊する社会的要因を明らかにし,具体的対策を樹立するためにも重要である3).
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