連載 Let's Talk about Woman's Health⑥
避妊だけではありません! ピルの効果
江夏 亜希子
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1汐留第二セントラルクリニック
pp.1048-1049
発行日 2005年10月1日
Published Date 2005/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100221
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- 文献概要
先月号では,特に避妊のための薬としてのピルについて書きました.しかし,最近の私の外来では,純粋に避妊のみが目的でピルを使用する方は実は少数派.私も含めて,避妊以外の「副効用」と言われる効果を期待して使用している方が多くなっています.
副効用①月経時の苦痛の改善
低用量ピルは,高~中用量時代に多く見られた副作用をなくすために,月経様の出血を起こすことのできるギリギリの量までエストロゲン・プロゲステロンを抑えています.よって子宮内膜はごく薄くしか張りません.「赤ちゃんのベッドがせんべい布団のように薄い」状態です.これは,排卵抑制に加えて確実な避妊の根拠になるのはもちろん,とりも直さず「月経血量が減る」ということになるのです.また,月経痛の回(8月号)に書いたように,「排卵を抑えると,月経時にプロスタグランジンなど“痛み物質”の産生が抑制される」ということからも,低用量ピルには「月経血量を減らし,月経痛を軽くする」という働きがあるのです.
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