連載 この目で見たアメリカの精神衛生活動・1【新連載】
ある精神病院にて
増田 陸郎
1
1東京都目黒保健所
pp.49-53
発行日 1970年12月10日
Published Date 1970/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204812
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はしがき
いつかは書かねばなるまいと思っていたが,丁度タイムリーであるので筆をとってみた。私は昨年3月から3カ月にわたり,アメリカにおける地域精神衛生活動を主題としてこの地の地域精神衛生センターをハワイ,カリフォルニア,コロラド,ミズーリ,ケンタッキー,ペンシルバニア,ニューヨーク,マサチューセッツの諸州に訪ねてみた。その詳細は「公衆衛生」34-3(昭45.3)「保健の科学」12-5〜9(昭45.5〜9)にゆずるとして,私が全施設を通じて,最も感銘をうけ,かつDr. Masudaはアメリカ中を廻ったので何かアドバイスはないかと問われた時,誇りをもって彼国で紹介することができたのが,コロラド州デンバーにあるフォードローガン精神衛生センターであった。全米を通じて,これほど立派なフィロゾフィに立脚しているところはどこにもなかった。
アメリカでも1955年頃は保健婦が結核やガンの家庭訪問から精神衛生へ手をつけた頃で,現在の日本と全く同じような試行錯誤の時期であった。
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