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70年春闘の特徴と問題点
井下田 猛
1
1思想の科学研究会
pp.63
発行日 1970年5月10日
Published Date 1970/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204683
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労働戦線統一論議
本年の労働界は労働戦線の統一論議で揺れ動いています。このうごきは,地方民間労働組合の連絡会議づくりとして1965(昭和40)年頃からはじまっていたものですが,昨年11月に,大阪地方民間労働組合連絡協議会(略称,大阪民労協,1,376組合,467,620名参加)の正式発足とともににわかに労働戦線の統一=再編成論議として具体的に活発化されだしたものです。
そして,これに拍車をかけて日本労働組合総評議会(略称,総評〉内部の宝樹全逓労組委員長,宮田八幡製鉄組合長らが経済闘争を重視して「労働組合主義」をかかげて再編成論議の首唱者となっています。ここでは,宮田氏の発言を引いておきましょう。「働く者が自分の工場や製品を無視してまで,闘争至上主義の道へ走れるだろうか。しょせんは人間,生産を上げることに協力して,取るものは取る。この本来の路線に戻すのは,いまが一番の好機だ」(『朝日』本年3月25日朝刊)と。
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