特集 団地の医療
住民運動と医療—花見川団地自治会のとりくみ
川上 武
1
,
吉井 修二
2
,
及川 知子
3
1杉並組合病院
2花見川団地自治会事務局
3習志野市役所
pp.10-19
発行日 1970年5月10日
Published Date 1970/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204669
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
川上 団地の医療ということが叫ばれるようになったきっかけは,団地の無医地区ということおよび去年,鶴川団地で問題になったダニ騒動に代表されます。そのふたつともが現在の団地のもっている矛盾を象徴的に現わすものです。そういう問題の解決の仕方をみますと,いずれも住民の運動に待ってはじめて大きな問題となり医療機関の場合には需要供給の法則によって開業医がそこへ乱立していく形での解決がはかられてきました。
しかし,最近の団地になりますと,花見川なんかその典型的な例だと思うんですが,非常に都心よりも遠くなり,しかも団地が小都市くらいの大きさになる。そうしますと,医療機関の問題にしてもいままでのような無政府的な需要供給の調節という形では,いかなくなっているわけです。それにもかかわらず,花見川団地ができたころの当初をみますと,まったく無医地区で,夜,患者が出れば救急車で送ったということを新聞で読んだと思うんです。
Copyright © 1970, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.